吉田拓郎の音楽ときいて思いつくのは、まず1小節の
メロディーの中に通常の倍ちかくの言葉を乗せるという
より詰め込んだ曲が多いということではないか。
私達のような年代の者には口ずさみにくい。でもそれ
が従来の歌謡曲に親しんできた年代の者にも新鮮で彼の
曲の魅力の根源になっている、と思う。
もちろん、「襟裳岬」や「ある雨の日の情景」「蒼い
夏」などの<歌い易い>曲もたくさんあるが……。
次に、歌い方だ。浪々と歌い上げるというより「人間
なんて」「長い雨の後に」のように、まるで怒っている
ように言葉を投げつける、あるいは、「今日までそして
明日から」のようつぶやくように語りかける、「大いな
る」のように呼びかけるような歌い方が、まるで先輩か
友達が歌っているような親しみを与えるところではない
か。
そして、若者が彼の歌に惹かれたのは、多感な若者が感じる理想と現実との矛盾、乖離にたいする<いらつき>をメロディーにのせた彼のアジテーションに共感を覚えたからに違いない。実は、こんな理屈っぽいことはどうでもよく、同じ時代のフォーク歌手の中で最も男っぽいところがいいのかもしれない。
さだまさし、南こうせつ、伊勢省三などとは対極のポジションで、むしろロックの矢沢永吉に近い?オトコを最も感じさせるところがうけるのかも?
最近は年のせいか、大病を患ったせいか少しボルテージが下がったように感じるのは私だけだろうか?
私が彼の曲を好きなのは、高校生時代に好きだったアメリカのカントリーウェスタンのメロディーと彼独特の日本的な和音と詩が溶け合った<拓郎節>に昇華したところではないかと思う。
昨年、NHK BSハイビジョンで「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋 2006」を観たが、往年のファンが大勢詰め掛け、みんなで手を振り体を揺らし聴いてるシーンは「今日まで一緒に頑張ったね」と言ってるようで思わず胸を打つ。 そして、永遠の嘘をついてくれ」を作曲した中島みゆきがたった一曲だが一緒に歌って何も言わずステージを去ったシーンがまた彼女らしくてよかった。
やはり“音楽っていいね!”
■ 好きな曲ベスト10
@ 今日までそして明日から A 祭りのあと B 蒼い夏 C 花嫁になる君に Dある雨の日の情景
E 大いなる F されど私の人生 G ともだち Hイメージの詩 I 制服