Vol−6

“あの頃”を聴く

アランフェス協奏曲 三題

マイルス・デイビスのアランフェス協奏曲は「SKETHES OF SPAIN」のアルバム
に収録されている。このアルバムは、スペインをモチーフに
ギル・エバンストとマ
イルスのコラボレーションがつくりあげた傑作といわれている。その中でも、ロドリゴ
ノ名曲<アランフェス協奏曲>の名演はフルオーケストラによるオリジナルの演奏
にも勝るとも劣らないといわれ、モダン・ジャズ以外のファン人でも虜にする名盤と
いれている。原曲の第2楽章
のメロディ部分をギターからトランペット用に編曲した
といっても、その他はむしろ忠実に再現しているといってもいいだろう。ただ、原曲
との違いはベースのパートが非常に重要でチューバや木管、ハープなどが効果的
に使われている
デイビスのトランペット特有の乾いた音色が、まさに「高原の町」
アランフェスに流れる風を感じさせる演奏である。

1959年収録

ブラジルのジャズギタリストローリンド・アルメイダスをゲスト・アー
ティストに加えた名演奏である。マイルス・デイビスの演奏よりも原
曲に忠実である。オーケストラのストリングスパートを演奏するルイ
スのピアノとミルト・ジャクソンのヴァイヴスは、このロドリゴの名曲
を見事にMJQのカラーに染めているが、欲を言えばもう少しアレン
ジして欲しかったようにも思われるが・・・・・・・・・。
それでも後半大きくフィーチャーしているアルメイダのギター・ソロが
この演奏を盛り上げているが、圧巻は何と言ってもミルト・ジャクソン
のヴァイヴスの音で郷愁を誘うような音色が心をうつ。
無機質のようで暖かくもあり、時にはマシンの音に、時には心の奥底
からの叫びに聞こえるこの楽器を縦横無尽に操る彼の感性とテクニ
ックにはただ脱帽。

1964年収録

アンヘル・ロメロの演奏を第49回大阪国際フェスティバルで聴くことが出来た。
オーケストラの分厚い響きにもかき消されない力強さと同時にソロの時のソフ
トな音色が印象的であった。
第1楽章はさわやかな風が吹き抜けていくようなやさしい音色、第2楽章は
ジャズにも取り上げられるほど感動的なロマンチックなメロディーをやさしく
そして力強く奏で、第3楽章はやさしいイントロから颯爽たるフィナーレと盛り
上がる。初めて耳にした時に負けないくらいの感動がこみあげてくる。
演奏が終わりステージでにっこりと微笑みながら会釈する彼に惜しみない
拍手,拍手の嵐であった。

この三つの演奏は、それぞれの持ち味が出て優劣付け難いが、迫力の点で
ロメロ
乾いたスペイン風土を感じるにはマイルス、ロマンチックな郷愁を感じ
が味わいたいならMJQ、 すごく乱暴な独断と偏見の評価?だけど・・・・・・・。


                                         

マイルス・デイビス ・  MJQ  ・ アンヘル・ロメロ