工務店のファサードってどうして入りにくいの?

今回は、お客さんが住宅に関する相談を目的として気軽に来れる工務店の店構えについて考えて見ましょう。
この“気軽に”というのは具体的にいうと、住宅展示場で見学や相談をするのと同じ位、あるいは商店街でホットドッグや豆腐を求めてお店に来るのと同じ程度の気軽さで工務店へ入店できるのが望ましいですね。そのシーンを想像して考えてみましょう。
あるユーザーが住宅を新築したい、あるいはリフォームしたいと思い、誰かに相談したいと考えました。 しかし、残念ながら知り合いに親しい専門家もいません。その場合、おそらくいつも目にする近隣の工務店を思い浮かべたとします。(住宅展示場を思い浮かべるケースは考えないことにしましょう)
そして訪ねて行きますが、玄関回りが閉鎖的でおまけに重厚な造りでどうも入りにくい。
意を決して入ったとしても気軽に相談できるかな?もし、相談して気に入らなくても気兼ねなく退店出来るかな?等色々と心配になってきます。そこで引返す場合もあるでしょう。工務店のあなたにとってはチャンスロスですね。もったいないですね。
一般的に、地方の商店街のお店は入りにくいとよくいわれます。「一度お店に入ると買わずに出るのが悪いから・・・・」というのが主な理由です。これが工務店の場合になると、はるかに高額で、しかも商品(家)が見えないのですから、気軽に相談や質問をして「それでは又」といってお店を出るには、チョット勇気がいりますね。
このユーザーの心のゆれ、不安の解消が営業の重要なポイントです。
工務店のあなたとすれば、注文してくれるかどうかは別として、先ず、ユーザーがドアを開けて入店して呉れなければ、受注ストーリーはここでジ・エンドですね。
とにもかくにも訪ねてきて欲しいですよね。
それでは、どうすれば<入りやすい>店構えになるか?それを考えるべきですね。
商店街にある小売店の店構えは、開放度は低く、開放感は高くというのが一般的には常識ですね。
勿論、業種によってはそうでないファサードもありますが、「入りやすく」するためには開放感の高い方がいい
のですから、ガラス面が広く、店内の様子が分かるデザインが良いですね。
一方、工務店の店構えについて考えて見ましょう。街中のハウスメーカーの展示室は開放感が高いデザイン
になっていますが、一般の工務店は昔ながらの建設業らしい店構えでで閉鎖的で重厚なデザインが多くあり
ませんか。 それは何故でしょう?
建設業の中でも住宅を主流の商品とする工務店は、どちらかと言えば、気軽にお店に入れて、気楽に相
談も出来て、もし気に入らなければ気兼ねなく退店できるような「入りやすく、断りやすい」店構えの方が来
店者が増えると思うのですが・・・・・・・・・。
これは想像ですが、工務店は「店」といっても、一般の建設業と同じように「信用・実績が重視される」から
まるで「銀行」のように「重厚さ、信用」をモチーフにしたデザインの方が相応しいと考えているのでしょうか?
それとも工務店は建設業で、「店」ではない、事務所だからオフィス風の方が良いとでも考えているのでしょ
うか。
昔のように、地縁、血縁で受注できる時代であれば、工務店のオフィスは帳場と作業場があればよかった
でしょう。 しかし、今日のように小さな街でも血縁はともかく地縁での受注が困難な時代では、地域の不特
定多数のユーザーをターゲットに営業しないと受注できないとすれば、工務店の「店構え」はとっても重要な
ポイントになる筈ですが、相変わらず今までどおりの店構えのところが多いですね。
そこで「繁盛する工務店の店構えの条件」を整理してみました。コンセプトはユーザー(見込み客)が<入り
やすく ・出やすい>工務店です。
言い換えれば<何でも気軽に相談しやすく、安心して任せられる>工務店の店構えです。
具体的なイメージでいうと、JTBの店舗などが良いですね。ガラス越しに中の様子が見えて、低い相談カウ
ンターとゆったりとした椅子。店舗の入口周りにはカタログが自由に持ってかえれるように陳列してある。
工務店の場合だったら、小冊子やニュースレター、概算工事費がわかる自社の建物写真や模型等が展示
して情報提供している。気兼ねなく自由に店舗に入り展示物を見たり、小冊子やカタログ類を持ってかえれる。
そして何か知りたいことがあればカウンターに座って相談する。そして「また来ます」とかいって気兼ねなく
お店を出る。 こんなイメージの工務店はどうでしょう。
工務店が割合街なかにある場合にはこんなお店にしてはどうでしょう。
工務店と隣接してカフェなどのお店があり、店内で自由に行き来が出来る。カフェは自社で経営してもいい
し、隣接の店主(業種によりますが)と相談してそのようなレイアウトにしてもいい。もう一歩すすめて自社の
工務店内にカフェを造れたら最高ですね。その際、カフェの経営が成り立つようにしなければならないのは
勿論のことです。
そして将来、その工務店の顧客・ファンの溜まり場になればいうことなしですが・・・。(すこし夢を見過ぎ?)
要は、ユーザーが気兼ねなく工務店に入れる仕組みや<しつらえ>を創ることが目的です。
最近、よくみられる本屋とカフェ(尾道市)、本屋と料理教室(福山市)、本屋とパン屋(神戸市)などの店と
同じように相乗効果をねらう、いわゆる店舗のコラボレーション(共同製作、共同作業)の工務店版です。
コーヒーを飲みに来て「すまい」の相談もする。
これなら気兼ねのない工務店になれるのではないでしょうか。
そんなこといっても「小さな街には無理だよ」と言う声が聞こえてきそうですね。また、「うちのような小さな
事務所では出来ないよ」という声も聞こえてきそうですね。
たとえ、地方の小さな街(カフェなんか似合わない街?)や小さな事務所でも、工夫次第で出来るはずです。
お店のファサードに大きな掲示板をつくり、作品の写真や住宅情報・ニュースレターなどで発信する。
離れた場所の喫茶店をギャラリーとして使用させてもらう、工事中の現場を活用する、公民館や近隣の集
会場で展示相談会をする等工夫すればいくらでも代替案はある筈ですね。
大事なことは、ユーザーの気持ちになってどうすれば、不安・悩み・疑問・心配など解消に応えてあげれる
か、ということを考えてとにかく第一歩を踏み出して見ることです。
(つづく)
